集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

コロナ失職5万人を考える

 9月2日の新聞各紙は、7月の「有効求人倍率」と「完全失業率」の悪化を取り上げた。7月の有効求人倍率は、6月より0.03ポイント低い1・08倍で、7ヵ月連続で悪化した。完全失業率も6月に比べ0.1ポイント悪化して2.9%となった。

 なかでも非正規労働者は前年同月比で131万人減少、うち派遣労働者は同16万人減、パート労働者51万人減、アルバイト33万人減などとなった。派遣労働者の数は6月と比べても17万人減っている。

 またコロナ感染拡大に伴う失職者数は8月末現在で5万人を超えている模様であり、これからも増える見通しという。

 コロナ感染の拡大が人々を「失職による生活不安」へ陥れている。

 ほぼ自給自足生活を体験しながら育った高齢者として考えるに、現在の生活様式の「過度な面」を考え直すことも必要ではないかと思うのである。

 一つ、自由な働き方を目指して「パート」や「派遣労働」を選んだ。それはよしとしても、「多様な働き方」として政策的に推進してきた政府やそれを支援してきた金持ち経営者たちは、庶民の「不安定さ」を何一つ考えていない~ということ。

 二つ、外国人観光者頼りの「経済活性化」により、ホテル、旅館、観光地、飲食業などはもろにコロナ感染の影響を受けている。外国人観光者が多いことを非難するつもりはないが「過度な依存」は、様々な危機を考えると「リスク」になることも理解しておくことが求められる。

 三つ、グローバリゼーションのこと。モノづくりの低コストを求めて海外に生産拠点を求める。それも必要でしょうが必要最小限を維持する覚悟ももって「過度な移転」を控える政策が求められるように思う。

 同じことは、食料品自給率にも言えそうだ。いずれにせよ「自給自足」を経験したことから「コロナ禍」を考える年寄りのつぶやきである・