集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

集団就職と啄木題材の『北帰行』を読む

1昨年の秋ごろと思うが、集団就職と石川啄木に関連することをストーリーとした『北帰行』が発売されたという紹介記事が目に留まり、これは何が何でも読まなければと書店注文で入手した。この小説は、作者・外岡秀俊が東大在学中の1976年に発表した作品…

市民農園利用に当選しました

過日市民農園利用を申し込んだところ運のよいことに利用許可が20日届きました。3月1日から来年1月いっぱい利用できることになります。すでに3年目を迎える1区画と2年目を迎える1区画、合わせて3区画を利用できることになる。ほかに民間農園1区画…

弁論大会を聞きながら定時制進学固める

15歳から夜間定時制高校へ入学するまでとても”まじめ”とは言えないが通信教育講座を受け、ときおりスクーリングにも参加した。学習というよりは受講生仲間で作る「東京支部友の会」文学部に加わり交遊するほうが多かったように思う。そうした中で夜間高校…

ストーブで食パンを焼いてはいけないか

定時制高校では簡単な給食があった。冬には石炭ストーブで教室を温めていたが、給食に食パンが出るとストーブで焼いて食べる人がいた。ホームルームの時間にそのことがテーマとなり、多くは「ストーブで焼くことを禁止すればよいじゃないか」といった方向に…

『舎監』せんせい~の集団就職者は恵まれていた

昨年の夏『舎監せんせい』ー集団就職の少女たちと私ー(鈴木政子著、本の泉社)が出版された。ようやく入手できたので一気に読み上げた。登場する集団就職者は、東北、北陸出身で、世代も私とほとんど同じであり、ページをめくるごとに同じような光景が頭の…

”女わざと自然とのかかわり”展との遭遇

2月12日のこと用事があって世田谷区の東京農大に出かけた。少し時間があったので馬事公苑前の「食と農」の博物館に立ち寄った。なんと企画展「女わざと自然のかかわりー農を支えた東北の布たちー」を見学できた。偶然の大収穫である。 この博物館は何回か…

期末試験はさんざん

夜間定時制高校に入学したのは男女共学で60人ほどだったと思うが定かではない。クラスがAとBに分かれていたのでそのように推測する。また学年によってはCクラスもあったので4学年では200~250人が在籍していたと思う。私は4年遅れの入学だった…

夜間高校へ4年遅れの進学

通信教育仲間たちと交流する中で夜間高校へ進学できることを教えてもらった。それでもどのようにすれば入学できるか暗中模索の日々が続いた。ある時都立高校が夜間定時制の生徒を募集していることを知った。印刷工場のある場所から通学するためには近いほう…

たゆまざる前進を~1961年の決意

縫製工場に就職してから高校課程の通信教育を続け、月に1~2回スクーリングにも参加して学習していた。受講生仲間の文学部に加わりサークル活動にも顔を出した。その文集が残っているが私の作品はない。つまり文学部への加入は創作活動に関心を持ったため…

3年ぶりの帰郷

印刷工場に転職し、先輩職人の手伝いをしながら得意先へのあいさつの仕方や電話での応対などを身につけるようになった。印刷前の組版を間違えて解版して怒られたのも成長への経験であった。 その年の正月休みを利用して約3年ぶりに帰郷することになった。集…

隣家の火事で逃げ出す

就職から1ヵ月後の明け方のこと路地裏の隣家で火事が発生した。住み込みの従業員は工場の2階に寝ていたが、なんかいつもと違う”パチパチ”というか”パリパリ”といった音に目を覚まし火事に気が付いた。びっくりしたみながパジャマのまま逃げ出した。 しばら…