集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

労働組合の現実に仰天

 年金生活の身分になると「老後生活」への関心は高くなる。同時に労働組合と政党の関係についても関心を持たざるを得ない。というのも当方は、その昔従業員150人ほどの零細企業で上部団体未加盟の企業内労働組合の委員長や書記長を経験したことがある。

 朝日新聞12日付が1目面と3面に「野党異変」という記事を掲載した。どうやら立憲民主党」や「国民民主党」または「維新の会」ほかの野党についての企画記事のようである。当方の関心は、野党政党よりも労働組合「連合」の中核と言える「全トヨタ労働組合連合会」(全ト、組合員約36万人)の動向である。

 先の総選挙で、全トをバッグに6回も当選してきた旧民主系議員が国会解散の日に「立候補辞退」を表明したそうだ。その年の春には全トの会長と自民党県連会長が酒席を共にしていたという。いろいろな経過があり昨年の総選挙では全トをバックに当選してきた候補者がいなくなり、引退表明していた自民党候補が当選した。記事を読みながら、大企業の労働組合がこれほど露骨に自民党に肩入れするのは行き過ぎであると怒りを覚えた。

 組合員の支持政党は自由に決まっている。一方で「組織内候補」(というのもおかしな話だが)を相手陣営や企業との間で「根回し」調整するなどもってのほかである。それに対して異論さえ出ないようなトヨタグループ内労働者の実態はどうなっているのだろうか。現代の不思議ではないだろうか。

 世界1大企業グラープ内の労働実態も知りたいものである。ほんとに仰天である。