集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

来年の消費増税は断念こそが正当

 「1年後のきょう、消費税の税率は10%に上がる」という書き出しの社説を朝日新聞が1日付で掲載した。社説の見出しは「消費増税の先を論じよ」との表現。何やら1年後の消費税率は10%になるのだから、その後の処し方を論じ合うのが大事だと説得しているように見える。

 まあ、来年10月から消費税率が「10%になる」と決まったわけではない。このことが大事な点である。アベは自民党総裁になったのは事実。沖縄の知事選で自民党公明党ほかが総力を挙げて応援した候補者が大差で落選したのも事実。来春には地方統一選挙が実施される。その後には参議院選挙が行われる。そこでアベ自民党は小さな痛手も許せない状況である。その人気政策が「消費税増税」実施見送りである。何せよ10月というのは、そろそろ年末商戦という時期であり、駆け込み需要なるものが盛り上がり、10月からの年末商戦が意気消沈するようでは与党も袋叩きに合わざるを得ない。その残影の中での統一地方選、続く参院選となると負け戦は免れないだろう。

 そうだ、ここは「消費税増税は延期しよう」と安倍が腹を固めるのが年内の仕事になる。それが人気取りであっても庶民は「ほっと胸をなでおろす」のである。それほど庶民は生活に窮しているのだ。自民党選挙対策であっても良い、10%増税を断念してはどうか。

 先の社説は「受益と負担のバランス」を示すことを求めているが、「10%増税」を前提にしてはいけない。国民の最大の関心ごとである社会保障財源」につい消費税しかないといった論理から解放されることがマスコミに求められているのだ。

 消費税増税はきっぱり断念こそが正論である。