集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

高齢者の「健康」ってどんな状態?

 いつの間にか80歳になりました。たまに会う知人は「健康そうですね。何よりです」と声をかけてくる。こちらは「年相応に健康のつもりです」と返すことにしている。そこで「高齢者の健康ってどんな状態のこと」だろうかと考えてみた。

 我流の「健康観」は、病気で医者の診察や診断を受けていない。ましてや通院などしていない~といったことではないでしょうか。すぐ異論が出ます。お前は「血圧が高いとかおしっこが近いとか耳が遠くなったとか言ってたじゃないか」。それは病気だろう~というわけだ。何か当方を「病人」扱いしたいようである。

 確かに、耳が遠くなり補聴器を探している。右肩がこる。おしっこが近い。血圧が高いかも知れない。そんな状態だが通院などしておらず「それなりに健康だ」と思いこんでいる。知人は「ちゃんと健康診断を受けて身体の状態を診てもらいなさい」という。もっともな話であるが、困ったこともないのに医者に相談することもないだろうと聞き流している。だから当方は「それなりに健康」状態だと思いこんでいる。