集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

マスクはエチケットになるか

 アベノマスクが様々な形で街の話題になっている。知人に会うと「マスク来た?」とか「マスク来たけど使い道ないね」など。テレビでも「寄付すると引換券が貰える」などが話題になっていた。マスクを寄付すると「銭湯入浴券」がもらえるなどのアイデアである。

 当方にはいまだ「マスク」が届かないが、隣町の方では大分届き始めているらしい。そのようなマスクだが、5月の後半のこと、マスクせずにバスに乗ると前の席に座っていた年配の女性が当方の顔を睨みながら急に席を移ってしまった。その時本心から「申し訳ない」とつぶやきながら胸ポケットからマスクを出して口を覆いました。 

 相当以前のことだが、来日中の外人たちが感じる「ちょっと不思議な日本人の姿」といったテレビ番組があった。その一つに、街中で目立つ「マスク姿」があった。日本では、特に病気でなくても「マスク」をつけることがよくあること。なかには「マスクをすると暖かい」とマスクの効用を説明する人もいた。それほど欧米などと比べるとわが国では「マスク姿」は特別なことではないようだ。

 コロナの感染拡大で、わが国の風習とマスクに違和感を持つ国の風習との違いが表れた点があるかもしれない。実は当方も、パート仲間では「マスク嫌い」の一人として通用している。とくに気温が30度にもなると「乗り物」以外ではほとんどマスクを外してしまう老人である。

 コロナ感染が一段落した後「マスク姿」はどうなるのだろうか。おそらく、かなりの割合で「普段からマスクを着ける」人が増えるのだろうと思う。キャッチコピーに「マスクはエチケット」といった表現を見ると、なんとなく違和感を覚えながらも「新しい生活様式」がやってくるかもしれないとも考える。

 社会的距離「ソーシャルディスタンス」も列を作るときのエチケットになるのだろうか。