集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「菅退陣」って本当?「カン」チガイでした

 1年中で夜の時間が最も長い「冬至」が過ぎました。間もなくクリスマスやら正月がやってくるはずである。しかし、コロナの感染拡大でお歳暮や年賀状も例年と少し変わってくるかもしれない。そんな予感がします。

 その歳暮が北東北の甥(兄の長男)から届いた。中身はせんべい、干し柿、地元で有名なラーメンなど。隙間を埋めるために地元新聞が使われていた。懐かしさもあってくしゃくしゃになった新聞を広げると仰天びっくり「菅首相が退陣表明」の見出しが飛び込んできた。えっほんとか。いつの話だ。やった万歳。そんないろんな思いがまぜこぜになって心臓が躍った。しかし、待てよ。テレビを観てもそんな話はないよ。じっとくしゃくしゃの新聞を眺めた。

 なるほど。東北の地元紙だけに、あの3・11の大震災を振り返る記事が読まれているのだろう。記事は「あの日から」として2011年6月2日の出来事を紹介したものだった。その見出しが「菅首相が退陣表明」であった。そうか9年前の夏のことなんだ。当時は民主党政権で首相は「スガ」ではなく「カン・ナオト」だったんだと思いいたった次第。漢字は同じだが「カン」と「スガ」の違いだった。

 脇見出しは「内閣不信任案は否決」、「震災対応めど後」とある。あの大震災から3カ月後の政局報道である。

 地元紙は「岩手日報」12月18日付を参考にしました。