集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

コロナ感染者10万人超えで「公助」を問う

 報道によるとコロナ感染者数が国内でついに10万人を超えたそうである。それは脅威と思うのだが、なぜか緊迫感が伴わない。老人のせいだろうか。

 国内でコロナウイルスの感染者が確認されたのは1月16日。その後中国での感染拡大や大型客船での感染拡大が日々のニュースであった。さらにその後は米国やヨーロッパでの拡大が報道された。国内での大雑把な経過を見ると4月を中心に第1波がグラフで見える。非常事態宣言などが解除された7月後半から8月にかけての大きな波は第2波である。そして10月は北海道、青森、宮城、岡山で1日の感染者数が過去最多を更新したという。このように第2波後に緩やかになっていた波がここで勢いを増している感じがする。

 毎日新聞は、10月26日までの1週間の人口10万人当たりの感染者数は沖縄16・66人、東京7・82人、大阪6・06人、北海道や青森が5人台などと伝えている。

 国別人口に占める感染者数・割合などが出るとその国のさまざまな事情などを知ることができるだろうと思う。

 それとわが国では、医療崩壊が心配されている一方で「ゴーツートラベル」といったキャンペーンも行われる。旅行キャンペーンはそれなりの効果を発揮しているようだが、ある新聞の投書によると「旅行に行けるのは経済的にも時間的にもゆとりのある人」といった声が寄せられていた。当老人も実に同感である。旅行したいけど「ゆとり」がない人にとってはキャンペーンは伝わらないのである。むしろ、バイトができなくなった学生が食糧や日用品の無料配布に列を作る実態を知ると旅行キャンペーンのほかにやることがあるだろうと愚痴を言いたくなる。契約解除になった非正規労働者の生活実態に即した「公助」の仕方があろうというもの。

 長引くだろう世界でのコロナ感染拡大で「コロナによる格差拡大」を許してはならないと思うのである。老人なりに不用品を探して「必要とする」人に届けられればうれしい限りである。