集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

コロナ禍で日米地位協定の問題を考える

 よくよく注意しないと見えてこない「コロナ感染者」がいることが分かりました。マスコミの伝える「国内感染者」数には含まれない感染者が国内米軍基地の中に結構いる模様です。きょうは、主に毎日新聞16日付「在日米軍基地感染拡大」を参考に綴りました。

 沖縄県が15日発表した米軍基地内での感染者数は、キャンプ・ハンセン(金武町など)で新たに36人が確認され、累計で58人となった。ほかに普天間飛行場が累計71人、嘉手納基地同5人など、県内5基地合わせると136人の多さである。沖縄県の感染者は148人(15日現在)に迫る数だけに、米軍基地内の感染状況は大問題である。 

 もちろん沖縄県外の米軍基地でも感染者は増えているようだ。神奈川県・座間では日本人従業員を含めて6人、山口県・岩国では3人が確認されている。ほかにも広がっている模様だが公開されていない。わが国の中ではあるが「米軍基地」内のことは「機密」事項として、わが国の国民には知らされない。そこに「日米地位協定」が立ちはだかっているわけだ。誰が考えたって米軍基地といっても日本人従業員が働いているから成り立っている。ましてや基地内の軍関係者は街へ出て買い物をしたり食事をすることができる。その際の不意の感染は避けられないのである。

 実際に、わが国はいま現在、アメリカからの入国を認めていない。だが「軍関係者」はその範囲外で入国できる。それも「日米地位協定」があるからだ。ごく最近のこと入国予定を提出しながら、その予定を無視して空港から電車やバスで基地に移動した例が問題となっている。虚偽報告の犯罪ともいえるうえ公共交通機関内での「感染可能性」は極めて高いわけで許しがたい行動である。さらに、基地内での感染者の何人かは基地外の民間ホテルに隔離されているらしい。そのホテル周辺では風評が広がり予約キャンセルも発生しているそうだ。

 国内(領土内)での感染なのに、米軍基地は厚い壁で覆われて「米国内」法だけがまかり通っているような実状を許すわけにはいかない。米軍感染者が好き勝手に移動したり、気ままに街に出没して感染を広げてほしくない。

 そこに「日米地位協定」の持つ重大な問題がある。マスコミは、もっともっと「コロナ禍」を契機に「日米地位協定」の問題を広く国民に訴えるべきではないでしょうか。