集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

コロナ禍でも増える「内部留保」って?

 コロナの感染拡大は有力企業の業績にも多かれ少なかれ影響を及ぼしているようだ。

 一方で、2019年度の「法人企業統計」(財務省)によると内部留保が前年度より2・6%増え475兆161億円で、8年連続で過去最高を記録したそうである。

 いろいろ話題になる内部留保だが、専門家によっても「どの範囲を指すのか」定まっていないようである。朝日新聞の報道では「内部留保」にあたる「利益剰余金」といった表現が見られる。さらに「良い」内部留保とか「問題のある」内部留保もあるようだ。

 そのような「内部留保」だが、現政府でさえも投資や賃金に振り向けてほしいと要望しているそうだ。しかし、有力企業各社は内部留保を増やしつづける。そこには政府の希望とは別に大企業の「財務制度」が「内部留保の積み上げ」を容認しているからでしょう。麻生大臣が「設備投資や給与に向けてほしい」と願望を述べたところで、「内部留保」はこれからも増え続けるのではないだろうか。

 いまはコロナ禍の日常でもあり、庶民の生活実態に照らして「内部留保」の有効活用の仕方をリードするのが政府役人の仕事ではないだろうか。家計で言えば「貯金」が増えたから「目出度しめでたし」ではないのだ。