集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

ヤママユの美と迫力

 見出しは「朝日新聞」の連載から借用しました。連載は「いま子どもたちは」(教育面6月4日付け)の9回目です。

 今回登場するのは都立園芸高校の昆虫部(部員は20人ほど)で活動している高校生2人。研究対象は「ヤママユやその仲間」のことらしい。ヤママユ(または天蚕)というのはわが国特有の野蚕(ワイルドシルク)のひとつ。幼虫は桑の葉ではなくクヌギの葉などを食べて成長し緑色の繭を作る。繭糸をひきだして様々なシルク製品を作ることができる。桑の葉を食べて成長するカイコと違い容易に量産できるわけではないので「繊維のダイヤモンド」とも言われるほどの貴重品である。天皇家ではヤママユを飼育しそのsilkでネクタイなどを製作して外国からの賓客にプレゼントすることがあるらしい。 

 高校1年生の子は、曽祖父の別宅がある長野県で幼いころから昆虫採集を続けてきた。その中に「ヤママユ」があり、自分で羽化させたことがあるらしい。そうした経験の中に幼虫がウイルスに感染し全滅したこともあるらしい。ヤママユの素晴らしさと同時にどのように病気を防ぐか「難しい道のり」が横たわっているようだ。

 もう一人の高校生は、ネットで「春の三大蛾」のひとつエゾヨツメを発見したのがきっかけで、ヤママユの仲間に興味を持つようになったらしい。記事によると「ヤママユの仲間は、野生種では、日本に10種類以上いる」らしい。彼はその仲間たちを東京で集めたいと意欲を燃やしているそうだ。

 連載を(なかでもカイコの仲間たち)読みながら、改めてワイルドシルク=野蚕についての関心がよみがえってきた。