集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

昆虫大好き~朝日連載に見る

 朝日新聞の連載「昆虫LOVE」(教育面「いま子どもたちは」)が楽しい。

 3回目の記事では、成田西陵高校2年生の女子生徒が登場する。彼女は小学生の頃に同校「昆虫館」のことを知ったという。その後も昆虫に興味を持ち続け進学校を決めたようである。

 彼女はいまチョウやガの飼育に挑戦しているようだ。チョウやガの魅力について完全変態昆虫の様子を間近で見られること」という。記事は完全変態について「卵から幼虫、さなぎを経て、全く姿の異なる成虫へと変わっていくこと」と説明する。少し付け加えると、カイコの場合、幼虫はカイコであり、カイコは桑の葉を食べながら繭を作り繭の中でさなぎになる。繭の中でさなぎはガになって脱出して卵を産む。その卵から幼虫のカイコが誕生する。 

 彼女はわが国特有の「ウスタビガ」も飼育しているようだ。鮮やかな黄緑色したウスタビガの幼虫が繭を経て茶色い大きな蛾になる姿が「本当にすごい」と感動する。

 ここに登場する「ウスタビガ」は、わが国に見られる野蚕・ワイルドシルクのひとつだが、よく知られる「ヤママユ」(または天蚕)の繭と違って糸をひきだすことが難しくほとんどシルク製品は見られない。彼女のいうように「ウスタビガ」の幼虫、繭、蛾ともいずれも魅力的な姿である。この繭を東北の山奥では「ヤマピコ」と呼んでいたことを想い出す。