集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

2016-02-04から1日間の記事一覧

3年ぶりの帰郷

印刷工場に転職し、先輩職人の手伝いをしながら得意先へのあいさつの仕方や電話での応対などを身につけるようになった。印刷前の組版を間違えて解版して怒られたのも成長への経験であった。 その年の正月休みを利用して約3年ぶりに帰郷することになった。集…

隣家の火事で逃げ出す

就職から1ヵ月後の明け方のこと路地裏の隣家で火事が発生した。住み込みの従業員は工場の2階に寝ていたが、なんかいつもと違う”パチパチ”というか”パリパリ”といった音に目を覚まし火事に気が付いた。びっくりしたみながパジャマのまま逃げ出した。 しばら…