集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

あの戦争終わって「敗戦」か「終戦」か

 ある新聞で「敗戦から72年~」という言葉に出会った。直感的に「間違いではないがそういう理解でよいのだろうか」と思った。

 先日「終戦から72年」と表現したところ、ある人から「戦後」の方がよいのではないかと指摘された。議論することでもないのでアドバイスを受け入れることにした。

 この時期だからこそあの悲惨な戦争を知らない世代でも「8月15日」を一つの区切りとして思いを巡らせる。その区切りをどのように表現するかは人それぞれと思うが「敗戦」をイメージするなら、一方では「戦勝」という優越感も共有すことになりはしないだろうか。

 戦争は国と国の争いであり、国内の民族紛争とはやや異なるような気がする。あの第2次大戦は、日本が連合国に敗れたことは確かだと思う。それを「敗戦」と表現するか戦争が終わった「終戦」とするか、またはその時期を起点に「戦後72年」を使用するかでその人の発想の仕方、創造性が異なるような気がする。

 「終戦」には、これで「戦争が終わった」という感情が込められているような気がする。対して「敗戦」には「戦争に負けてしまった」という感情がどこかにあるような気がしてならない。また「戦後」(戦争が終わったとき以後の時代)には「戦中」(戦争している時期)とか「戦前」(戦争がはじまる前の時代)が連想される。当方はそんな想いを込めて「終戦から72年」と表現したいと思うのである。

 ちなみに「8月15日」を終戦記念日と呼ぶのはなぜでしょうかといった疑問もあるようです。詳しくは専門家の解説に期待します。

 「敗戦」ではなく「戦勝」を誇ることも確かにあるようです。その場合、侵略者との戦争に勝利したとか独立のための戦争に勝利したとかいうことだろうと思います。

 あくまでも私的な発想でメモしました。