集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「もったいない」は「ケチ」ではない

 「もったいない」は、モノの本来あるべき姿が無くなるのを惜しみ嘆く気持ちだそうです。現代では、物の価値を十分に生かし切れず無駄にしている状態や行為を戒める意味で使っているようです。〇〇を捨てるのはもったいないもったいないから工夫しながら使いましょう。

 そのように考えると、倹約とか節約に通じるような気がします。といって「ケチ」とは違うことが理解できます。つまり「ケチ」は「必要以上にモノを惜しがること」とされ”必要以上”にこだわることが含まれているようです。なかには、生活を犠牲にしてまで金銭や財産を溜め込む人を”ケチな人”と呼ぶことがある。このように「ケチ」にはマイナスの印象、悪い印象が付きまとっているようです。「もったいない」の方は、惜しみながら大事に使いましょうというように良い印象を持ち合わせているように思います。

 「ケチケチしないでど~とやろう」となると派手さが伴い、大量の無駄が出て来そうです。宴会料理が残ったとき「もったいないから持ち帰りましょう」となると「ケチ」とは言わず「残り物だけど大事に扱う人」の印象を持たれそうです。同時にそうした行為や仕種は自然環境の保護にも通じることになります。豊かな自然の姿を大切にしながら後世に引き継いでいきましょうといった気持に通じるからでしょう。

 ”もったいない”を強調し推進する人は自然環境保護者でもあると言えるようですね。