集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

新聞料金の値上げですか?

 1週間ほど前だったと思いますが、郵便受けにタオルが入っていた。よく見ると朝日新聞が料金を値上げするために読者に配っているものだとわかった。当方にとっては突然の通告のように思えたが説明書によると紙面で社告を出してあるとも書いてあった。

 ちなみに当方は、時々駅の売店で他紙を買うことがある。現在のところほとんどの朝刊は150円であるが、朝日新聞だけは今月から160円になったそうである。計算してみると約6・7%アップということになる。朝刊のみ月契約だと3826円が4200円になるから10%アップといってよさそうである。釈然としないが新聞無しの生活も考えられないので購読契約を続けることにしよう。

 新聞料金の値上げについて想い出すことがある。もう40年ほど前だったと思うのだが「マーケティング理論」が盛んなころ。マーケティングとは「何か」の知識が全くない若造が人気の高い講師の話を聞く機会に恵まれたのだった。いまでも「マーケティングとは何か」と問われても説明できない。そんな若造にも「製品の値上げ」についての話のことだけは記憶に残っている。

 それは一般的に「値上げ」は製品の「売り上げ減」を招いてしまうから非常に決断が困難であるというものだった。そうした中でも「新聞」は一方的な通告で値上げが容易であるという話しであった。新聞は専売店から宅配するのが一般的であったため値上げもスムーズに行われるとの意味合いもあったと思う。だからこそ「新聞の料金改定」は慎重に慎重を重ねた上で判断しなくてはならない~そんな話でもあったと思う。

 聞きながら、製品の特徴や魅力、需要と供給の力関係または環境変化などを考えていたように思う。サラリーマンが都心に通勤するときに使う路線電車はそれほど選択できるわけではない。電車賃が値上げされたから通勤できないというわけにもゆかない。

 そんな話を想い出しながら、朝日新聞が「どのような理由で値上げするのか」とか「現実の紙面が変わったのか」などに、今まで以上に目をきっちりと開いて経過を見てゆきたいと思いました。