集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

アマゾン開発の諸問題を考える

 米国に次ぐ新型コロナウイルス感染者の多いブラジルの元環境相・マリナ・シルバ氏が、25日付毎日新聞紙上で「疫病と人間」について語っていました。ブラジルといえばアマゾンの森林火災が関心の的であるが、記事を読みながら様々な発見がありました。

 一つは、コロンブスが新大陸を発見した後(1500年)に、現在のブラジルがポルトガル人によって発見されたことからポルトガル領になったという。そのポルトガルは、アマゾン流域に住んでいる先住民を迫害しながら開発を進めたらしい。いまでもアマゾン流域にはいくつもの先住民が伝統的な生活を守りながら生活している模様である。 

 そこに、森林開発や鉱山開発が押し寄せ、さらには新型コロナウイルスまでも持ち込みかねない現実があるらしい。気候変動と結びつく環境破壊のひとつでもある森林開発や鉱山開発などが大規模な森林火災をもたらし、それがさらに地球規模での環境破壊に結びつくといった循環が見えてくる。 

 もちろん先住民たちの、生存保護が第1であり生活向上などが課題だと思う。それはきっと地球環境保全と一体となる事業ではないだろうか。しかも単なる地域的または国だけの取り組みではなく世界各国が共同して取り組む課題ではないだろうか。

 コロナ禍をきっかけに見えてくるのは、地球規模の環境破壊への真剣な取り組み、食糧危機と貧困からの脱出、そしてマリナ・シルバ氏は「医療、教育分野」への対策を強めることだと指摘する。大いに賛同したい。 

 ブラジル社会は、個人の自由を重んじる一方で団結意識や集団意識は薄いらしい。それがこのたびの新型コロナと関連して「社会的ルールを守る意識の弱さ」につながったのではないかと見ている模様である。

 先住民を含めた広い地域と長い歴史の中で作り上げられた社会意識などもっともっと尊重しながらその地域や国に住んでいる人々の明日を考えるのが務めかもしれない。そんなことを考えながら読みました。