集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

アルバイト的な仕事スタイルの広がり

 コロナ感染に伴い「緊急事態」が宣言されました。東京ではよく分からない「アラート」なるものが設けられました。そうしたなかで飲食店などは出前、テイクアウトに意欲的に取り組んでいるようです。

 もともとお蕎麦屋さんは出前が商売のひとつでしたが、人手不足もあったのでしょうかあまり見かけなくなっていました。コロナ禍のあおりを受けてこれまで「持ち帰り」料理を商売としていなかったレストランやホテルまでが「持ち帰り」テイクアウト料理を販売するようになった。このようなビジネススタイルは今後定着するかもしれない。

 同時に「出前」とか「持ち帰り」を代行するような「ギグワーク」が広がるかもしれない。町に出かけると四角い箱を背負った人が自転車をこいでいるのを見かけるようになった。箱の中身は知らないが、おそらく「出前」型の商品運送だろうと推測できる。かつて「バイク便」などが話題になったがそのような形ではないだろうか。

 ただ、このような「働き方」というか「雇用形態」にはいろいろ問題がある。いわゆる「労働者」か「個人事業主」ということにならざるを得ない。そうした問題をはらみながら経済的後退時期には「アルバイト」とか「一時的」な発想での仕事スタイルが一般化する可能性は大きいような気がする。

 問題アリの新しい様式とも言えるでしょう。