世界恐慌から「コロナ後」を学ぶ
新型コロナウイルスが世界中に広がる中で、世界の経済は「世界恐慌以来最悪の同時不況に直面している」と報じられたのは4月15日だった。きょう4日夕方政府は「緊急事態宣言」を5月31日まで延長することを表明した。何か「予期せぬ状況」が迫っている感じである。
国際通貨基金(IMF)によると、2020年の世界全体の成長率は前年比3・0%減になるという。1月には3・3%増を予測していたこともあり「コロナ」による影響の大きさを伺える。この大きなマイナスは、2009年リーマンショック時の0・1%減に比べても驚異の数値である。
ところで「世界恐慌」を体験的に知っている人はどれだけいるだろうか。世界恐慌は1929年から1933年にかけての出来事である。1930年生まれの人はいま90歳になるが、体験記憶は薄いのではないかと思う。90歳代後半の方なら体験談を話していただけるかもしれない。それほど古い話になる。
世界恐慌は、第1次世界大戦から11年目の秋(1929年)、ブラックチューズデーと呼ばれるアメリカでの株式暴落がきっかけとなった。大戦から立ち直りつつあるなかでいわゆる「バブル」がはじけたのだろう。世界同時不況により1929~1932年のGDPは15%落ち込んだという。
世界恐慌後の世界はそれ以前と「どう変わった」か、「コロナ後の世界」を考えるためにも大事だと思うこの頃である。