集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

世界恐慌から「コロナ後」を学ぶ

 新型コロナウイルスが世界中に広がる中で、世界の経済は「世界恐慌以来最悪の同時不況に直面している」と報じられたのは4月15日だった。きょう4日夕方政府は「緊急事態宣言」を5月31日まで延長することを表明した。何か「予期せぬ状況」が迫っている感じである。

 国際通貨基金IMF)によると、2020年の世界全体の成長率は前年比3・0%減になるという。1月には3・3%増を予測していたこともあり「コロナ」による影響の大きさを伺える。この大きなマイナスは、2009年リーマンショック時の0・1%減に比べても驚異の数値である。 

 ところで世界恐慌を体験的に知っている人はどれだけいるだろうか。世界恐慌は1929年から1933年にかけての出来事である。1930年生まれの人はいま90歳になるが、体験記憶は薄いのではないかと思う。90歳代後半の方なら体験談を話していただけるかもしれない。それほど古い話になる。

 世界恐慌は、第1次世界大戦から11年目の秋(1929年)、ブラックチューズデーと呼ばれるアメリカでの株式暴落がきっかけとなった。大戦から立ち直りつつあるなかでいわゆる「バブル」がはじけたのだろう。世界同時不況により1929~1932年のGDPは15%落ち込んだという。 

 世界恐慌後の世界はそれ以前と「どう変わった」か、「コロナ後の世界」を考えるためにも大事だと思うこの頃である。