集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

生きるために働く~老後レス時代

 高齢化が進み100歳が普通になろうとしている。また格差の広がりや貧困層の増加に歯止めがかからない。大きな社会問題であり政治の課題である。

 朝日新聞は10日付けから「老後レス時代 エイジングニッポン」の連載記事を掲載した。単なる平均像で記事をまとめるのではなく、ほとんどが実名で登場する。老後生活を平均像で上手に描いたところでほとんど説得力がないと感じていただけに、この連載はぶち当たっている問題を拾い上げる形であり、関心をもって読みました。

 まあ「老後レス」は新語でしょうから正確な意味は分からない。楽しみにしていた「老後生活」がなくなってしまう時代といった内容でしょうか。

 当方は、後期高齢者だがパートで働いている。それは年金が少ないためにパート収入で生活費を補うのが最大の理由である。これから「体調が崩れる」とか「雇い止め」に会うと、生活保護を目指すレールに乗ることになるだろう。

 連載の1回目は、「生きるために働く高齢者の実像」が描かれる。働けるということは比較的健康な人たち。病気になると収入が途絶え社会的援助に頼らざるを得ない。その援助が不十分であることも事実。

 2回目は「会社の妖精さん」。初めての言葉であり理解するまで時間を要した。つまり、定年を控えた中年男性で職場に居場所がない人たちのようである。居場所がないからといってやめるにやめられない実態。思い切って退職し「別の道」を選んだ人も登場する。いわゆる「夢のある第2の人生」とでもいえようか。

 3回目は、主に非正規で働く女性たちの老後の問題にスポットを当てている。

 4回目は、年金収入で生活不安がないけれど働くことを楽しみにしている高齢者の姿が描かれる。働くことは健康によし、人手解消に役立つ、持続可能な社会保障を支えるなどで効果を発揮するという。しかし、全体としては、憲法に従った「等しく生きる」ことの実現策の拡充こそが待たれている~と感じました。

 執筆チームに感謝します。さらなる奮闘を期待しています。