集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

もてはやされた「派遣」女性はいま?

 朝日新聞8日付け1面に「非正規の女性置き去りか」の見出しで連載記事が掲載された。記事の主役は、年金暮らしの73歳の母と暮らす48歳の単身女性のようである。現在は時給1500円の派遣社員として働いている。

 最近「老後資金2000万円不足」が話題になり、老後を考えるようになったらしい。想いおこすと、ほとんど準備がないことや救済制度も整っていないことに気がついたようである。さて「政治」はどうするのでしょうか。個別具体的な事例を拾い上げて「どのような事態」になっているか「どのような手立て」が求められているかなどを提起することが報道の役割かもしれない。

 もう25年ほど前のことだが、勤務していた会社でも「女性派遣社員」を手厚く活用した経験がある。多分「派遣社員」は「自由な時間」に「自由」に働けるとしてもてはやされていたと思う。それを中小企業も頼りにした。時には派遣元に内緒で休日に「派遣女性」に仕事を依頼することもあった。それは相互にメリットがあったからである。すでに経営危機に陥っていた頃の話である。

 いま非正規で働く人の70%は女性らしい。いま見たような現実から向こう10年で単身高齢女性の40%が貧困状態を強いられるだろうとみる意見もある。

 このような個別具体的な事例に「政治」は本気で向き合うのか問われているのだ。