集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「馬鹿げたこと」といわずに取り組んでほしい年金問題

 めったに怒らない総理・安倍が「馬鹿げたこというな」とことばをあらげたらしい。それは大きな話題となっている「老後資金2000万円」に関連してのこと。

 報道によると、老後は年金で安心して生活できるだろうと考えていた人たち。ところがマクロ経済スライドとかで年々年金は減っているのが現実。定年前の人だって不安になってくる。そこである議員が「マクロ経済スライド」を廃止して「減らない年金」を保障すべきだと主張した。安倍は「馬鹿げたことができるか」と反論しながら「7兆円」の赤字をどうやって埋めるのかと帳簿裏の事情を明かしたらしい。

 つまり、年金を減らしつづける「マクロ経済スライド」を続けるのは、想定される7兆円もの赤字を抑え込むための方策であることを明らかかにしたものらしい。年金受給者を犠牲にすることで帳尻を合わせようとしている。年金を減らさない制度を構築すべきとの提案を「馬鹿げたこと」と一蹴したわけだ。

 どこの家計でも、収支バランスを考えるときは、支出を抑える節約と収入を増やす手立てを考える。話題の年金制度では、保険料収入には目をふさぎ「年金給付」を抑えることだけに腐心している姿が明らかになった。経世済民が為政者の任務であるにもかかわらず下々の民をないがしろにする安倍の姿勢は許せない。

 保険料収入については、前回も触れたが社会保険加入者を増やすことだろう。そのためにも正規雇用を増やすことと最賃引上げが効果的だろう。最近では保険料率の上限引き上げも話題のようですから、高齢者に生活苦を押し付ける年金削減だけでなく収入を増やす手立ても真剣に議論すべきではないかと思う。