集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

消費増税は断念するのがまっとうな施策

 繰り返し主張したい。消費税を10%に引き上げるのは「取り下げる」のがまっとうな施策である。10月からの消費税10%は断念せよとことあるごとに主張する。

 このところ、食料品の値上げがマスコミで話題である。直接の値上げでなくても量や形を変えて実質値上げする(ステルス値上げ)例も増えているらしい。かつて日銀は「デフレ脱却」といって消費者物価2%引き上げを目指した。そうした政策にメーカーの値上げは貢献しているのだろうと推測するが、庶民にとってはいい迷惑である。

 一連の値上げは、秋の消費税引き上げとどのように関連しているかは定かでないが、値上げされた「商品」の消費税も当然増えることだけは間違いない。つまり消費者にとってはダブルで「アップ分」がのしかかってくる。それなりに年金収入やパート時給が連動して上がるわけではない。庶民の家計からは生活必需品の支出が増える=負担だけがのしかかる。

 食料品は8%据え置きだとかカード購入による還元など複雑な施策も打ち出されているが、小売業にとっては煩雑さだけが押し付けられる困りもののようである。カード購入の少ない高齢者やポイント還元に慣れない消費者にとっては「面倒くささの押し売り」にしか映らない。

 10月からの消費増税は断念すべきだ。それこそがまっとうな施策である。