映画「マルクス・エンゲルス」を観ました
4月30日(月・祝日)映画「マルクス・エンゲルス」を観に行きました。世間はゴールデンウイークの前半という。上映開始40分ほど前に到着したのだが、チケット売り場前には長蛇の列。これでは座って観れるか心配になったが会場担当者の振る舞いから大丈夫そうな雰囲気を感じた。そうしたなか担当者は「こんな混雑は年に1度か2度。私の経験では初めてのこと」と驚きを隠さない。
ホールに入ると残された席は前方のいわゆる”袖の下”のみ。それでも席を確保できたことに感謝しながら上映を待つ。
この映画は、カール・マルクス生誕200年に当たり制作公開されたものらしい。つまり1818年に生まれたマルクス(1883年没)の伝記映画のようである。私にとっては、20歳を過ぎたころ夜間定時制高校で「資本論」という名著があることを教室で教わり、夜間大学で「資本論」を学習したいという気持ちを膨らませた。そんな経過もあって興味津々の映画であった。ちなみにタイトルにある「エンゲルス」1820年生まれで1895年没という。マルクスの大の親友である。
マルクスの伝記映画と思いこんでいたのだが、どうも伝記とは違うようだ。冒頭から、森で枯れ枝を拾い集めている老人や女性、子供たちに騎馬の警備隊風が襲い掛かるシーンから始まる。近隣の住民たちが生活のために枯れ枝を集めているのだが、その行為は「窃盗」に当たるという。ここで「所有物」と「窃盗」の関係が当時大問題となっていたことが示される。19世紀中ごろドイツで発生した事件に基づいたもののようである。後に「生産手段の所有」と「搾取」の解明に行き着くことになるらしい。
その後、マルクス(家族を含めた)とエンゲルスの友情や当時ヨーロッパで活躍していた改革者たちとの論争を経ながら「共産党宣言」を起草するまでを描く。つまり伝記ではなく「共産党宣言」起草までの時代と背景をわかりやすく描写したもののようである。
2時間の上映時間を忘れるような楽しい映画でした。近年の映画鑑賞で座れるかどうかを心配するような混雑ぶりはほんとに初めてである。映画を終えて表に出ると次の回を待つ人たちが道端に座っていた。