集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「和綿」を栽培してみたい

 10月24日の朝日新聞に「『和綿』で知る豊かさ」「国内で復活の動き広がる」という記事が掲載された。ここではあえて「綿」ではなく「和綿」が主役のようである。

 いま「綿」と言えば、ベイメン(米綿)とかインドメン、エジプトメンなどがよく知られていると思う。やや高級になるとギザ45とか繊維長の長い新疆綿(シンキョウメン)など一般に超長綿と言われるグループがある。さらに”繊維の宝石”ともいわれる「シーアイランドコットン」(西印度諸島海島綿)もある。

 記事によると、綿花はわが国でも江戸時代までは各地で栽培されていたという。その後ほとんどが輸入品(綿花)に置き換えられ、栽培は影をひそめてしまった。綿の中でも「和綿」と呼ばれる種類は、繊維長が短いため機械紡績に向かず、綿紡績が盛んになると輸入綿花に押されてほとんど見られなくなった。

 そうしたなかで、綿花栽培を復活させようとする動き、なかでも「和綿」の特徴を栽培から初めて製品まで作ろうという取り組みが注目されているという。どうも綿花栽培はわが国の気候でも大丈夫のようである。特に「和綿」の場合、機械化と輸入品に太刀打ちできなかったためのようである。

 気候に問題がなければ綿花「和綿」を栽培してみよう~そんな気持ちが湧き起こるのも無理ではない。綿花はそれほど肥沃な土壌を必要としないらしい。プランターでも可能という。ならば手始めにプランター栽培から初めて野菜畑へと広げてもよかろう。あとは収穫した綿花・コットンボールの買い手を探すことだ。

 そんなうまくゆくはずはない。うまく進展するかどうかではない「一から始めること」と言い聞かせながら取り組んでみたい。