集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

料理「おいしい!!」は味わってから

 我が家のテレビは、料理、様々な形の旅(電気バイクとか路線バスで飲食店を探すなど)、韓国ドラマが占領しているようだ。ほとんどはお笑い系のタレントが登場するのも特徴だろうか。

 番組を観ていると、「景色がいいね!!」とか「アッ!おいしそう!」が決まり文句のように出てくる。こちらは愛想なく「そうだね」ぐらい。ときに「当たり前だろう。まずそうな料理は映さないだろうし、景色の良いところを放送しているんだから~」と毒ついている。 

 それにしても食べ物番組で気になるのは、タレントが料理を口に入れたとたん、大げさに『あ~おいしい!!!』を連発する姿。こちらは「よく味わってから言え!」とつぶやくのである。おそらく担当者に「素早く、表情豊かにおいしさを表現すること」を何度も強要されているのだろう。その繰り返しの上で「素早く、大げさにおいしいを表現する」タレントを起用し、放送するのだろうと思う。万が一「よく味わってから」など言うものなら、次回は起用されないだろうから。 

 食べ物番組を制作する方たちにお願いしたい。あの「食べ物がのどを通らない前に”おいしい”を表現するのはやめた方がよい」。タレントも、汁や具を味わってから「おいしい」を表現してはどうですか。その方が、本当の食べ物番組と思いますよ。