集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

アンダークラスの実情を伝えてほしい

 下層高齢者の現実に関心をもっている。朝日新聞7月17日付は参院選と絡めて「インタビュー現在地」を掲載した。興味深く読みました。願わくば専門家へのインタビューだけでなく「下層高齢者」の実情を報道してもらいたいものである。

 朝日の記事は『新・日本の階級社会』の著者でもある社会学者へのインタビューでまとめたもの。専門家は著作でアンダークラス(下層階級)」が出現したことに注目して、様々な対応を提起している。「アンダークラス」とは、パート主婦を除く「非正規雇用の労働者」。60歳未満の個人年収平均は186万円。こうした人たちが900万人に達するらしい。これだと「労働者」でないものは除外されている模様だ。また60歳過ぎの主にパート労働者などは対象外なのか記事を読みこんでいきたい。

 アンダークラスを「非正規労働者」とすると、これからどんどん高齢化社会に参入してくること間違いない。その人たちの「生活保障」は政治の問題だろう。そのことを朝日の記事は提起しているような気がする。

 だが、非雇用労働者や高齢者の「アンダークラスはさらに膨らむだろうから、その人たちを含めた「生活保障」が大きな課題だと思う。高齢者は年金に頼る生活を余儀なくされるが、低年金で「最低生活」は保障されるのかどうかは「政治」の問題である。

 専門家の鋭い分析提案も大事だが、高齢者を含めた「アンダークラスの実情をリポートすることが読者への優しさと思った次第。