集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

文書ねつ造を狙う「公文書」受け取り拒否の重さを問う

 マスコミが連日報道している「老後資金2000万円」問題の”本当の問題”がよく分からない。どうも週刊誌の芸能記事みたいに「そのうち忘れられる」ことになりかねない感じもする。 

 当方が「よく分からない」というのは、老後は年金だけでは暮らしてゆけない。多くの庶民は1000万円からの蓄えが必要だと気がついている。そんな話題や情報が広く伝えられていたからである。だから新聞の投書欄に「私たち、誤解なんかしていません」といった記事が掲載されるのである。 

 問題の本質は、政府の重鎮であるはずの麻生にある。専門委員会に現状と将来のあり方を報告するよう求めた。専門委員会は問題点を正直に書いて(老後は年金だけで安心できる生活は無理でしょう)報告書にまとめた。その内容が話題になったもんだから麻生は報告書の受け取りを拒否した。つまり「公文書」を「なかったもの」(それはできないのだが)にしようとしたわけである。 

 報告書の「内容」に問題があったわけではない(すでに多くの人々が知っていることであるから)。それを「公文書」が追認、公表することを麻生は「良しとしたくなかった」わけでしょう。まさに「文書ねつ造を画策」していると勘ぐられてもおかしくない事態である。それが「2000万円」問題の本質ではないかと思うのである。

 もちろん、老後も安心して生活できる年金制度への改革が大前提であることは間違いない。