集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

総雇用者所得を吟味すると~

 例の「毎月勤労統計」(不正)との関連でしょうか「総雇用者所得」なるものが話題のようです。ある新聞は「毎月勤労統計で公表される労働者1人当たりの賃金に雇用者数をかけた数値」と簡単明瞭に説明します。この「所得」がアベノミクス効果で増加しているという。なんかめでたい話のようであるのだが、そうでもないらしい。

 第1に「毎月勤労統計」が正確でないこと、それも作為的「上振れ」の疑いがもたれている。二つ目はこの間の「雇用者数」の中身である。新聞によると、雇用者数が増えたうち「7割が高齢者」(65歳以上)と指摘する。次いで多いのは「15~24歳」でそのうち学生、高校生が85%以上を占めるという。

 この間に増えたといわれる「雇用者数」の大多数は、65歳以上のパート高齢者とアルバイト学生というわけだ。つまり、年金だけでは暮らしてゆけない高齢者が最低賃金水準のパートでしのいでいるのが実態。同じように親だけに頼れない高校生や大学生がアルバイト就業で家族の負担を軽くしている様子がうかがえる。この光景は「アベノミクス」の光ではなく「影の部分」として理解、認識すべきだろうと思う。

 パート収入に頼る後期高齢者の実感である。