財政再建は「消費増税」以外にないのか?
消費税10%への賛否がマスコミで目につくようになった。
気になったのは、先の日曜日NHK朝の番組で有識者が消費税について意見を述べていたが、出演者すべてが「来年10月から消費税10%」になることを前提にしたうえで、実施にあたっての留意点を指摘していたことである。なるほどNHKらしい番組制作であると首をかしげてしまった。つまり「消費税10%」ありきの有識者を集めた討論番組を企画放送したわけである。しかも、有識者は「消費増税はこれからも続く」とわざわざ前置きするほどの念の入れようは「異様」としか言いようがない。
新聞でも様々な意見が掲載されている。ほとんどが「財政再建のためにやむを得ない」のではないかといった意見のようである。おそらく「増税反対」の人たちは投書しても無視されるか投書さえしないためではないかと思う。どうせ「俺たちの声なんか聴いてくれないだろう」とあきらめてしまう。そんな姿が目に浮かんでくる。
そこで「財政再建」のためには「消費増税」しかないのだろうかという議論はマスコミであまり見かけない。例えば「税金の集め方」を見直すことだってあるだろう。
もう一つ、消費増税をすると「駆け込み需要とその反動」でしばらく景気は落ち込むらしい。それを否定する有識者はいない。皆が懸念しているのだ。もし消費増税を止めて高所得者(いわゆる富裕層)や大企業の内部留保に税金を負担してもらったら、直ちに日本経済は落ち込んでしまうだろうか。そしてわが国の財政はたちどころに破綻してしまうのだろうか。
どうも「社会保障の充実」と「財政再建」のためには「消費税の増税しかない」という論理構成がのし歩いているような気がしてならない。有識者の方々ももう少し角度を変えて「財政再建」の論理構成を探ってみてはといいたい、この頃である。