集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

カイコやテンサン飼育に取り組む先生方へ

 暑い!!熱い!!!と、いうだけでは気分転換にもならない。そんな日々ですね。

 昨日の朝日新聞の記事を読みながら想い出しました。テレビで有名な俳句の夏井いつきさんのインタビュー記事です。と言って、俳句を作ろうかという話ではない。

 夏井さんは、俳句の底辺を広げようと「俳句甲子園を企画したそうである。それが21年も続いている模様です。関連するインタビューに答えて「俳句に熱心な先生が赴任し、飛躍的に成長した」例があります~と答えている。なるほど、なるほど。 

 そのころ、当方は「野蚕=ワイルドシルク」に関心をもちはじめ、小学校や中学校でカイコやテンサン(天蚕)飼育に取り組んでいる事例の情報を集め、時に100人(ヵ所)ほどに届けたことがある。そのころからなんとなく気がついてはいたのだが「〇〇に熱心な先生が赴任」しているかどうかによって、カイコなどの観察が続いたり中断することを再確認した次第です。

 近年では、部活などから先生の仕事が多忙を極めることが問題となり、話題ともなっている。昆虫から小動物の飼育観察では、ニワトリやうさぎ、さかなやカブトムシなどが多いように思う。それでも20年ほど前のことカイコやテンサンなどの飼育観察に取り組んでいる学校は全国に散らばっていた。なかには地元のテンサン飼育グループの助けを借りながら「カイコの一生」シルクによる作品作りに取り組んでいる例が見られた。最近は少し減ってきているような気がする(これは実証ではなく感触である)。

 当時から、理科や生物の時間に解剖実験などに取り組む先生がいなくなっているからとの感想を聞いたことがある。次第にその傾向が高くなったのかもしれない。同時にカイコやテンサン飼育に精通している世代が少なくなってきていることもあるだろう。

 ただ、カイコやテンサン飼育は、この種の昆虫の特徴である完全変態や繭糸から絹(シルク)ができ、それが機能的にも優れた衣服になること、その養蚕業がわが国の産業と経済の基礎を作ったことを学ぶことができる。そのように多面的な「学び」の要素を持ち合わせていることを知り、ぜひ「カイコやテンサン飼育」に取り組む先生が増えることを願っています。