集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

グローバル化によるいまの現実

 下流老人予備軍としていわゆる「格差」とか「貧困ライン」などに関心を持っていますが、このほど政党機関紙「赤旗」の連載記事に”驚き”を感じた。

 連載1回目の末尾を紹介します。

 「海外投資の急拡大は、日本だけでなく先進国全体の空洞化・衰退、国民の職の喪失、貧困化、そして福祉国家の崩壊を招いています」。 

 つまり、どんどん進んできた海外投資がいまや人々の職を奪い、貧困化または過疎化の要因になっているということではないでしょうか。この記事の読み違いでなければ当方の理解も勘違いではないことになる。

 この連載は「グローバル 経済の迷宮」(サブタイトルは製造業の空洞化)のタイトル。2月20付から23日付まで4回掲載された。記事の形態は、最近『空洞化と属国化』という著書をまとめた名古屋経済大学名誉教授・坂本雅子氏のインタビューをまとめたものである。

 記事は「グローバル化」とは「IT化と一体となった経済活動の地球大の広がり」のことという。同時に「多国籍企業が母国を捨てて海外投資を激増させた放恣な企業活動そのもの」とも説明する。*放恣(ほうし)とは、勝手気ままで節度がないこと。

 それが冒頭の引用記事になるわけだ。とりわけ産業の空洞化とか国内地域経済の行方などを考えながら読み進むと”驚き”が続くのである。