集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

ほんとに時給は上がるのだろうか?

 先日のことパート職場の朝礼で、責任者が「10月から時給が上がる模様なので今まで以上にしっかりと仕事をしてほしい」と話していた。現在の時給850円が少し引き上げられるだろうと期待される。まあありがたいことである。

 仲間によると「知人に”うれしいでしょう”と言われたが、上がっても”最低賃金額”ですからね~。なんて答えてよいのか~」とぼやいていた。時給が上がるといっても「最低賃金額」にとどまるところが、うれしい気分になれないところである。

 一方、労働組合の交渉とか春闘によって決まる一般労働者の賃金と違って何とか委員会が決めた地域最低賃金に従って「時給」が引き上げられるというのはありがたいことである。ときおりマスコミでは「最低賃金を1000円に」とか「1500円に」といった要望が出ていることが話題となっている。そういう時代にならないと”有能な働き手”が集まらない。そんな事態がわがパート職場でも続いているのが現状である。

 悪く言えば、時給が最低賃金職場には期待する高齢者は集まらない。時給が少しでも高い職場から振り落とされた人しか集まってこない。そんな感じがしてならない。