集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「しがらみ」と「アウフヘーベン」具体例を挙げてほしい

 東京都知事小池百合子たんが何かと話題の主になっている。これも小池たんの意向であり作戦かもしれないと思う。

 新党立ち上げの会見で、政策の第1に「しがらみにない政治」を挙げたようである(朝日新聞26日付参考)。インタビューでも連立政権に関して問われ「しがらみ政治の一員に入ったら何の意味もない」と説明したようである。

 おっしゃるとおりである~と頭にとどめておいていいのだが「しがらみ」ってどういうことなんだろうと気になった。本当の意味ではなく一般的には「邪魔をするもの」とか「なかなか切れない人とのつながり」、「まとわりつくもの」といった意味でつかわれているそうである。そこで小池たんに「しがらみのない政治」を掲げた折に、どのような状態を想定していたかを挙げてほしかった。よくテレビなどでは「岩盤規制」という表現が出てくる。長く守られてきた制度が現状に合わなくなってきたといった意味もあろう。さらには企業が全く自由に活動できるように制約条件を取り除くという意味もあるようだ。あの「加計問題」がそうである。そう小泉の郵政民営化もそうだったのだろう。小池たんの「しがらみ」について情報提供してほしいものである。

 27日の朝日新聞は、小池たんの「アウフヘーベン」を取り上げている。若いころドイツ語を選択ている学生が「アウフヘーベン」=「止揚」をわかったような顔しながら使っていた。小池たんは哲学的な意味を込めてたびたび使った模様である。

 これに関して一橋大学の教授は「花が枯れて種ができる。花だった時の姿は否定されているが、結果的に種の中に花の要素がとどまっているというイメージ」と説明。そのうえで「政治的に複雑な問題をあいまいにするために、難しい専門用語を使っているのではないでしょうか」とも言う。

 どのような狙いがあるかわからないが、日々の生活に窮している庶民にわかるような具体例を挙げながら話してもらいたいと思うものである。マスコミの話題受けだけを狙っていてはダメでしょう。