集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

連合は労働者の要望を実現する運動組織ではなくなった

 さきに労働組合の「連合」が、「残業代ゼロ」法案に同意する姿勢を示したことが報道された。これに反対する動きが広がり19日には連合本部前で集会が開かれた模様である。至極当然のことである。どのような条件を整えようが「残業代ゼロ」が正当化されるような労働環境を容認することはあってはならない。

 それを、企業現場で「労働者」として働いたこともない連合育ちのキャリアが主導したと聞いてあきれるばかりである。もともと連合の幹部として名だたる人たちは雇用主の指名を受けて労働組合運動に関わった人のようであるから汗水流してノルマをクリアする現場感覚など持ち合わせてないだろうと思う。彼らは使用者視点での労働環境改善を目指しているとしか思えない。

 連合本部前に抗議の波が押し寄せても、連合の幹部たちは既定の「残業代ゼロ」容認を”確認しあう”方針らしい。何たることか、連合は労働者本来の要望を実現する運動体ではなくなっていることを傘下末端組合員は知るべきであろう。

 21日の新聞報道によると、連合本部の役員体制に波及したようである。このことも当然だと思うのだが、それにしても役員体制に目を引き寄せて”先走り方針”を傘下単組に押し付けてしまおうという運びに見える。それでは現場労働者は無視されたも同じではないか。問題は「残業代ゼロ」法案を審議させないことである。労働組合(運動)の総本山を自覚し、組合に加入していないだろう多くの労働者も「連合の役割」に関心を向けるような仕事をしてほしいものである。

 連合よ、真の労働者の味方に立ち返れ。元々無理なことか。