集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

「社会保険加入」制度で給料が減るの?

 年金受給者がほとんどのパート職場ですが、いまの話題が「週の勤務時間が減らされる」ということです。「給料が減ってしまう」とか「年金に加入して受取額はどれぐらい増えるか」、「本当に社会保険に加入できるのか」、「仕事の質が落ちるのでは~」などさまざまである。どうして話題になっているのだろうか。

 どうも社会保険加入条件の制度変更に関わっているらしい。当方を含めて理解の薄い高齢者を対象に、何が何でも「経費削減」を果たしたい雇用主企業の姿勢が見えてくる。こんな制度は本当に改善・改革なんだろうか疑いたくなる。

 簡単に言えば、週20時間以上働くと社会保険に加入することが制度化するので、これからはシフト制度を導入し、週の勤務時間・日数を減らしたい~というものである。

 現状の勤務体制は、1日4時間・週5日勤務が原則であり、月19日から21日勤務する。ほかに有給休暇制度が実施されている。この勤務や採用条件を了解しながらパート仕事をしている。

 ところが、前記の理由で現行週5日勤務を「週4日勤務」に切り替えると言い出した。その体制に向けて新たに高齢者パートを増やし始めたのである。以前から仕事をしている者には、おそらく秋には最低賃金制度に従って時給が増えると思うので、それに合わせて週勤務日数を4日にすると説得を始めている。

 年金受給者が多いために週4日勤務を了解すると思われる。ダブルワークの若い人は一方の職場で社会保険に加入している。もう一人は市営住宅に住んでいるので収入減に悩んでいる。ほかの者は収入減に不満のようである。日常の仕事は週5日であるが、シフト制度に移行することにより「仕事の持ち場」に穴が開き、未経験者が作業することになり仕事の内容にクレームが起こる可能性が増えるだろうと皆が心配している。

 高齢者のパートで事業運営している小企業だが、なかなかの知恵者がいるらしい。シフト制度の導入のほかに、交通費の上限額支給については、地元バス会社が導入しているシルバーパスで通勤するように切り替えた。おそらくこれで会社負担は約3分の1になると思われる。これには脱帽である。