集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

お花見が雨で中止に

 4月9日は、もう2ヵ月ほど前に決めた「お花見」の日だった。お花見はもう長い間続き近隣から30人ほどが集まる行事であり、みな楽しみにしていた。わたしは場所取りに手を挙げた1人であった。

 9日に決めたのは、昨年が雨上がりの冷たい日取りであったためにあえて1週遅らせたためである。この選択は、開花時期から見ると実に的を得ていた。東京の開花が早かったが当地での開花は3~4日前のことである。「ひにち」は間違いなかったのだが天候はさんざんな日になってしまった。しかも3日続きの雨だけに地面もずぶぬれかもしれない。桜はちょうど満開だというのに。残念。

 ことしのお花見時期はさんざんなような気がする。真っ先に開花した東京だって満開までの日数が相当長かった。月末の金曜日に計画した「お花見」は雨で流れるケースが多かったようだ。当地では、4月初めの週末では開花していなかったので8日か9日を予定する人が多かったはずである。つまり「ことしのお花見の時期は天候がくるっている」と言えそうだ。予報士たちは過去のデータを並べて解説するだろうが「天候不順」とか「異常気象」などの奥深い背景を真剣に考えなくてはと思う。