集団就職世代の想い出といま

北東北の奥深い山の集落から15歳の誕生日を迎えたばかりの少年が大都会の町工場に就職した。それから60年ほどが過ぎたいま、さまざまな想い出とこれからを綴る。

若い歌手を見て夜間大学進学を決意

 ひんしゅくを買っている話題で「なんとなく大学へ行って~」という政治家の話がある。少し違うが当方の大学進学もある意味で「なんとなく」であったと思う。想いおこすと50年ほど前のことである。

 町の小さな印刷工場から夜間定時制高校に通っていた3年生のころだったと思う。同僚たちとテレビの歌番組を見ていると、司会者が若い歌手を紹介する際に「早稲田大学の二部で勉強しているんだってね」と尋ねる場面があった。そのとき「こんな忙しい歌手でも大学の二部で勉強できるんだ」と思ったのである。それがきっかけでいろいろと大学進学を考えるようになった。あの「若い歌手」は誰だったか、その後の活躍についても確かな記憶はない。なんとなく守屋ひろしに似ていたような印象があるだけだ。

 4年生になる前に夜間大学進学の決意は固まり、校友会活動と並行して少しだけ受験対策も心掛けるようになった。

 今日は憲法記念日